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銀山温泉の春迎えの郷土菓子、くぢら餅
突然ですが「くぢ(じ)ら餅」をご存じでしょうか。
「くぢら餅」は銀山温泉のある村山エリア
および最上エリアに古くから伝わる郷土菓子のひとつです。
その歴史は300年とも言われ、一説では江戸時代、
新庄藩の第3代藩主、戸沢正庸(とざわまさつね)の時代に
兵糧食としてつくられたのが始まりともされています。
村山・最上エリアでは毎年、旧暦の桃の節句(4月3日)に、
雛菓子と一緒にこの「くぢら餅」をお雛様に供え、
春の訪れをお祝いする習慣があります。
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ちなみに「くぢら餅」というユニークな名前の由来は、
もちろん、実際のくじらとは無関係で、
保存が効く”久しく持つ良い餅”を意味する「久持良餅(くじらもち)」や
見た目がくじらの皮付きの脂身を塩漬けにした
“塩くじら”に似ていたなど、諸説あるようです。
材料には米粉、砂糖、くるみが用いられ、
地域によって白砂糖、黒砂糖、醤油、味噌、
あんこ入りなどなど、さまざまな味付けがあります。
かつては春彼岸あたりから各家毎に準備されてきた
節句菓子でしたが、現在ではそれも少なくなりました。
昔ながらの製法でもち米とうるち米を一日水に浸した後、
さらに一日干して米粉にし、そこに砂糖を加えて練り上げ、
蒸して完成する「くぢら餅」は、モチモチとした食べ応えの満点の
甘じょっぱいおいしさがどこか懐かしい味わいです。
原料に餅粉(米粉)を使用しているため、
開封後に固くなってしまったら1センチ程度の厚みでスライスして
フライパンなどで軽く炙ったり、ラップで包んで
レンジであたためたりしても、おいしくいただけます。
レトロな佇まいが今なお残る銀山温泉で
この地の歴史に想いを馳せながら素朴な節句菓子を味わってみるのも、
この時季だけの風流な楽しみかもしれません。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kujiramochi_yamagata.html)
画像参照:やまがたの広報写真ライブラリー(https://www.pref.yamagata.jp/cgi-bin/photolib/search.cgi)